…2020年7,500万人、2030年6,800万人!
日本の生産年齢人口(15歳から64歳までの労働可能な年齢の人口)は、少子高齢化の影響により長期的に減少しています。以下に、過去から将来にかけての日本の生産年齢人口の推移に関する概要を示します。
1. 過去の推移
1990年代の日本の生産年齢人口は約8,700万人程度でピークを迎えていました。バブル崩壊後もこの水準を維持していましたが、少子化の影響が徐々に表れ始めました。
- 2000年を境に、人口は緩やかに減少し始め、約8,300万人程度まで減少。
- 2010年頃にはさらに減少が進み、約8,000万人を割り込みました。
- 2020年の生産年齢人口は約7,700万人でした。
2. 現在の状況(2020年時点)
2020年の生産年齢人口は約7,500万人程度に減少しています。政府や多くの専門家によると、少子高齢化の進行により今後もこの減少傾向は続くとされています。
3. 将来の予測
日本の総人口が減少する中で、生産年齢人口も急速に減少する見込みです。国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、以下のような予測がされています。
- 2030年には生産年齢人口は約6,800万人程度まで減少。
- 2040年には約5,900万人程度に減少。
- 2050年には約5,000万人を下回る可能性がある。
上記の様に、日本の中小企業が直面している人手不足の問題は深刻です。この課題に対処するために、中小企業が取り組むべき現実的な対策について整理してみます。当たり前のことばかりですが、長期的な計画を立てて、着実に取り組んでいきましょう。
1.IT・自動化技術の導入
効率化を図るために、業務プロセスをデジタル化・自動化することが効果的です。たとえば、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)やクラウドサービスを活用することで、定型業務や単純作業を自動化し、従業員がより付加価値の高い業務に集中できるようにします。
2.柔軟な働き方の提供
フレックスタイムやリモートワークなど、柔軟な働き方を導入することで、潜在的な労働力を取り込みやすくなります。特に育児中の女性や高齢者など、従来のフルタイム勤務が難しい人々にも働く機会を提供できるようにすることで、労働力不足を補うことができます。
3. 外国人労働者の活用
政府の政策により外国人労働者の受け入れが拡大しているため、技能実習生や特定技能制度などを活用して、外国人労働者を受け入れることも選択肢の一つです。ただし、文化的な違いや言語の壁があるため、十分なサポート体制の整備が必要です。
4.シニア世代や主婦層の活用
定年後のシニア層や、育児や家庭の事情でフルタイムが難しい主婦層を活用することも有効です。パートタイムや短時間勤務などの柔軟な雇用形態を提供することで、これらの潜在労働力を積極的に活用することができます。
5.従業員の定着率向上
離職率を低下させるために、働きやすい職場環境を整えることが重要です。職場のコミュニケーションを円滑にしたり、ワークライフバランスを重視した施策を導入することで、従業員の満足度を高め、長期的な雇用を促進します。
6.アウトソーシングやシェアリングエコノミーの活用
業務の一部を外部に委託するアウトソーシングや、他企業とのリソース共有(人材シェアリング)も、労働力不足への対策となります。専門業務や短期間のプロジェクトにおいては、外部の専門家やフリーランスを活用することも有効です。
7.従業員のスキルアップと多能工化
中小企業は限られた人数で運営されることが多いため、従業員一人ひとりが複数の業務を担当できるスキルを持つことが重要です。従業員の教育や研修プログラムを通じてスキルアップを図り、特定の職種に限定せず、さまざまな業務を担当できる「多能工化」を推進することで、生産性を向上させます。
これらの対策を組み合わせることで、今後慢性的に続く人手不足に対応していくしか方法はありません。即効性は無くても長期目線での取り組みを始めませんか。
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