…低生産性は現場の問題ではなく、マネージメント(経営)の問題です。
前回号のつづきです。
■低生産性の原因と対策は…
◆低生産性は現場の問題ではなく、マネージメント(経営)の問題です。
低生産性の解決策を、個人の仕事のスピードアップや業務効率の改善に求めるのではなく、会社全体のシステムの問題としてとらえるべきでしょう。低生産性の原因は、現場ではなくマネージメントの問題です。この認識が必要です。
◆生産性向上のための対策は…
1.ビジネスモデルを転換する、効果は◎です。
容易ではありませんが、より単純(Simple)で高収益(Profitable)なビジネスモデルに転換出来れば、その生産性は格段に向上します。これこそ社長の仕事です。惜しみない勉強が必要です。
2.業務を減らす、効果は○です。
仕事を棚卸してください。思い切って業務を20%やめましょう。業務を減らせば仕事は減ります。業務を減らすためには、業務そのものを棚卸するだけでなく、過剰な品質になっていないかどうか、業務内容も検討してください。業務が過剰品質になっているケースも少なくありません。
※やめることを探してください。上手にやろうとするのではなく、思い切ってやめる、この決断が必要です。
3.その他、あらゆるものを減らす、効果は○です。
提供するサービスや商品、不採算顧客等、あらゆるものを棚卸する必要があります。聖域を設けずにあらゆるものを対象にして、選別して減らすことを考えてみましょう。
※不要なモノがたくさん混在しています。悪の根源はこれらの不要なモノです。
4.値上げする、効果は○です。
単価を5%上げることができれば、生産性は5%向上します。一律の値上げは乱暴ですが、不採算商品や不採算顧客に対する値上げは有効です。減収の覚悟も必要ですが、案外値上げが通ることもあります。重い判断になりますが、選択肢として排除すべきではありません。
5.過度なサービスをやめる、効果は○です。
メニュー表にない+αのサービスを、しかも無償で担当者が提供し続けているケースは少なくありません。これも棚卸して顕在化させてください。サービスの必要性を担当者個人の裁量に委ねるのではなく、経営として判断してください。必要なら正式に行う、不要なら会社としてやめる…判断してください。
※無償サービスを会社として容認し続けるロスは、担当者個人の負担として、その担当者を直撃します。退職につながるケースが多いです。
6.生産性を管理する、効果は○です。
部門ごと、出来れば担当者ごとに、その生産性を把握できる指標を設けて管理してください。部門、出来れば担当者ごとの実績を把握し、目標を決めて、継続的に管理することは大変有効です。
※担当者個人を責めるための管理ではありません。生産性を改善させるため・個人の負担を軽減させるための管理です。
7.業務のスピードを上げる、効果は△です。
同じことを10%早くやれば、確かに生産性は10%向上します。確かに重要ですが、精神論・根性論に終焉しがちです。マネージメントとしての対策(上記の1~6)を進めながら、並行して取り組んでください。
◎1~6はすべてマネージメント(経営)の問題です。
低生産性の原因は、現場の問題ではなく、すべて経営、言い換えると(中小企業では)社長一人の問題なのです。
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