…経過措置が3月31日で終了した後は少し注意が必要です。
新型コロナウイルス感染症に係る雇用調整助成金のコロナ特例の経過措置は令和5年3月31日で終了します。
令和5年4月1日以降の休業等については支給要件を満たせば通常の雇用調整助成金が利用できますが、検討されている支給要件の中で、注意が必要な要件があります。
それは、「コロナ特例を利用していた事業所が令和5年4月1日以降の休業等について通常の雇用調整助成金を申請する場合、最後の判定基礎期間末日から1年経過していること。」という要件です。
この要件が適用されれば、コロナ特例をフルに利用していた多くの事業所が令和5年4月1日以降、1年間は雇用調整助成金が申請できなくなるかも知れません。
検討中の要件ではありますが、注意が必要です。
内容を確認しておきましょう。
■令和5年3月31日までの原則的な措置内容
新型コロナウイルス感染症等の影響により経営環境が悪化し、最近1か月間の売上等が前年同期比10%以上減少している事業主が対象となります。
※令和元年から令和4年までのいずれかの年の同期、または過去1年のうち任意の月との比較も可能です。
(1)助成率
・中小企業 : 2/3
・大企業 : 1/2
(2)1人あたりの1日の上限金額:8,355円
(3)クーリング期間制度を適用しない。
(4)申請書類の簡素化等の特例を継続する。
■令和5年4月1日以降の要件(予定)
次のような要件が検討されています。
(1)直近3か月の売上高などが前年同期と比較して10%以上低下していることが要件となります。起業して間がない企業等、比較可能な売上高がない場合は対象となりません。
(2)休業等を実施する事業所における雇用保険被保険者や受け入れている派遣労働者数の直近3か月の平均値が前年同期に比べて10%を超えかつ4名以上(大企業の場合は5%を超えかつ6名以上)増加していないこと。
(3)コロナ特例を利用していた事業所が令和5年4月1日以降の休業等について通常の雇用調整助成金を申請する場合、最後の判定基礎期間末日から1年経過していること。 (クーリング期間要件)
※クーリング期間要件とは、1つの対象期間(1年のうちに雇用調整を行った期間)の満了後、引き続き雇用調整助成金を受給する場合、その満了の日の翌日から起算して1年間以上空けないと、新たな対象期間を設定することができない制度のことです。例えば、最初の休業等が令和4年3月31日以前で、令和5年3月に最後の休業等実施日がある場合、最後の休業等実施日から1年経過するまで申請できないことになります。
(4)通常の雇用調整助成金では休業等の実施前に計画届の提出が必要ですが、令和5年4月1日以降の休業等については令和5年6月頃までの間、計画届の提出は不要とされます。
(5)一部の労働者を対象とした短時間休業も助成対象となります。
詳しくは厚生労働省のホームページからご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html