…すべての数字より、最も苦しい月を見ることが大切です。
前回は、資金繰り表は年初に作るから意味がある、という話をしました。
今回は、資金繰り表を作成したあと、社長がどこを確認すればよいのかを整理します。
資金繰り表を見る際に、細かい数字をすべて追いかける必要はありません。
社長が押さえるべきポイントは多くなく、視点を絞ることで判断がしやすくなります。
最初に確認したいのは、預金残高が最も少なくなる月です。
一年分を並べたときに、資金が一番薄くなるタイミングはいつなのか。
その金額を見て、精神的に余裕を持てる状態かどうかを確認します。
- 利益が出ている
- 売上が伸びている
こうした状況でも、預金残高の底を見ると不安を感じるケースは珍しくありません。
資金繰り表は、数字と感覚のズレを早い段階で掴むことができます。
次に確認したいのは、売上が計画より下振れした場合の資金の動きです。
一年が当初の想定どおりに進むことはほとんどありません。
売上を少し保守的に置き直すだけでも、資金の余裕度は大きく変わります。
ここで重要なのは、悲観的な結論を出すことではありません。
売上が落ちた場合でも、対策を検討できる時間が確保されているか。
資金繰り表は、その余地を確認するための資料です。
三つ目は、大きな支出が集中する時期です。
設備投資、賞与、借入金の返済などは、それぞれ単体では問題がなく見えても、重なることで資金繰りを一気に圧迫します。
月ごとに並べて確認することで、資金が一時的に詰まるタイミングが明確になります。事前に把握できていれば、手を打つ選択肢も広がります。
この三点を確認するだけで、資金繰り表は十分に経営判断に使えます。
必要なのは、数字を完璧に理解することではありません。
最も厳しい状況において、会社がどのような状態にあるかを把握することです。
資金繰り表は安心するための資料ではなく、考えるための資料です。
判断を先送りしないための時間を生み出す道具でもあります。
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